マイナンバー制度

来月より通知が開始されるマイナンバー制度について

1 マイナンバー制度とは 

  マイナンバー制度とは、「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(以 

 下、マイナンバー法といいます。)」に基づき、日本国内の住民に通知される12桁の番号(外国国籍の方も

 含まれます。なお、法人の場合は13桁の番号)により、社会保障関係の手続、税務関係の手続、災害対策等

 の行政手続に用いられる制度であり、公平な行政運営及び事務の効率化、申請書類等の簡素化による負担軽

 減を目的としています。

  具体的には、年金の給付・確認手続、雇用保険の資格取得・確認・給付手続、生活保護申請・給付手続、児童手当等の申請・確認・給付手続、確定申告書、給与支払報告書、被災者生活再建支援金の給付手続等が挙げられます。

  国や地方公共団体等が各々保有している個人情報についての照会(マイナンバー法により、個人情報が一元的に管理されるということではありません。)については、照会できる要件(どのような場合に照会できるのか?)については、マイナンバー法に個別に規定されています(行政手続上であればどのようなことでも照会できるというわけではありません。)。

  なお、マイナンバー法の改正があり、金融機関(銀行等)や予防接種・検診記録等にその範囲が拡大され

 ました(段階的に施行)。

2 マイナンバー通知について

  マイナンバーの通知は、平成2710月より、各市区町村より、住民票の住所地に「通知カード」が送付されます。

  そのため、住民票上の住所地に居住していない方は、受け取れないことになります。

  そこで、東日本大震災の被災者、DV被害者、ストーカー被害者や長期入院者の方で住民票上の住所地に居住していない場合、又は止むを得ない理由により住民票上の住所地で受け取ることができない方については、住民票上の住所地の市区町村に申請することにより、現在の住居場所に送付してもらうことができます。

  但し、平成27925日までに住民票上の住所地の市区町村に申請手続きをする必要があります。

3 個人番号カードについて 

  「通知カード」を受取後、「個人番号カード」を申請することができます。

  「個人番号カード」(平成281月以降発行)は、顔写真付きのICチップ内蔵のカードであり、電子署名にも対応していますが、自身の税、年金情報、病歴や預金情報等の情報は記録されていません。なお、「個人番号カード」は、「通知カード」と引き換えにより交付を受けることになります。

  個人の方の場合、例として、社会保障手続のために勤務先等に自身及び扶養家族等の個人番号を伝えることになりますが、「通知カード」の場合、通知カードの他、本人確認資料として、運転免許証等の提示を求められます。「個人番号カード」を所持されている方は、個人番号カードの提示のみで足ります(顔写真がついていますので、別途本人確認資料の提出は必要なくなります。)。

  「通知カード」又は「個人番号カード」を紛失してしまった場合は、直ちに市区町村にその旨を届け出なければなりません。

4 法人(事業者)の対応について 

  マイナンバー法には、法人(事業者)には、国及び地方公共団体の実施する施策に協力するよう努める旨及び個人情報の漏洩、滅失及び毀損の防止及び適切な管理のための必要な措置を講じなければならない旨の規定が置かれています。

  そのため、就業規則や個人情報管理規程のように個人番号の取得及び管理規程の作成・組織の構築が必要になると考えられます。

  具体的には、総則、個人番号取得、本人確認に関する規定については、

   ➀事務実施者の指定、個人番号の取得・管理の組織構築に関する規定

   ②本人確認を含む個人番号の適正な取得に関する規定

   ③個人番号を含む個人情報(以下、特定個人情報といいます。)の正確性に関する規定

等が挙げられ、管理に関する規定については、

   ➀紙媒体か電子媒体か(電子媒体であればインターネットに接続しているパソコンでの管理か否か、インターネットに設読しているパソコンでの管理であれば、外部の侵入、ウィルス等の対応に関する規定)

   ②特定個人情報の利用、利用制限、廃棄等に関する規定

   ③社内教育に関する規定

   ④特定個人情報の漏洩、滅失及び毀損に関する規定

 等が挙げられます。

  また、事務の委託及び再委託が可能(例えば、社会保障手続を社会保険労務士にお願いする場合や税務申

 告を税理士にお願いする場合等)であり、その場合、委託先の監督を行わなければならない旨の規定が置か

 れています。

  そのため、➀委託先に関する規定(暴力団等反社会勢力の廃除等)、②再委託の条件・同意に関する規定、③委託先及び再委託先の特定個人情報の管理体制の確認に関する規定、③委託先及び再委託先の特定個人情報の利用、利用制限、廃棄等に関する規定、④委託先及び再委託先の特定個人情報の漏洩、滅失及び毀損に関する規定も必要となると考えられます。


  個人の方において、個人番号は、上記の行政手続や転職時等の社会保障手続に必要となるものですので、紛失等には十分気を付けて頂くことになりますし、法人(事業者)においては、その管理等、適正に対応して頂くことになります。