交通事故の過失相殺率(2)

 自転車事故の過失相殺率は、自転車対歩行者、自転車対自転車については、自動車事故の過失相殺率を基準として作成されています。

 自転車事故については自動車事故とは異なり以下の特殊性が考えられます。

 ➀ 自転車の運転は、幼児から高齢者まで、免許なしに幅広く利用されるため、交通法規を知

  らない者(幼児、児童)も利用できる。

 ② 自転車は、車両であるため、原則車道左側通行であるが、幼児(6歳未満)、児童(6歳以

   上13歳未満)、70歳以上の高齢者、車道を通行するに支障がある身体に障害を負っている

   人、安全の確保のためやむを得ない場合については歩道を、自転車通行可の標識がある

   道を通行することができる。

 ③ 歩道を通行できる場合は、どちらの向きでも通行できる(但し、歩道の車道寄りを徐行し

   なければなりません。)。

 ④ 自転車は、自動車と比べ、軽量、低速で運転操作が容易であるものの、幼児、児童、高齢

   者等については一般に危険認識、危険回避に遅れが生じ得ること。

 以上の特殊性が考えられますが、これらの事情をどの程度考慮すべきかは具体的状況により異なると考えられます。

 私が、損害保険の調査会社にいた当時の経験で、見通しの悪い十字路や丁字路、交差点付近の他、見通しの良い直線道路でも事故が発生しています。

  自転車事故でも損害額が高額になるケースもあるため、事故の無いよう努めたいものです。